流派
不二流とは不二の流れである。
不二とは二つであらずという真理を表す限界の言葉。
概念(考え)や言葉(説明)をこえた世界。
人間の分別理知からは考えの及ばない自然法璽の世界であり、無碍の世界であると言われている。
不二流躰術・第三代宗家が修行した第二代宗家伝・不二流躰術。
井上先生の兄弟弟子である柔気流の故・八木不動宗家からご指導を受ける。
井上鑑照伝・一位流合気武道、古神道を河野容雄師範からご指導を受ける。
幼少より修行していた柔道、 空手、剣術、棒術、短刀術、短棒術、他の武器術。
戦場での体験(常在戦場)、山行、滝行、活法も 含め、宇宙遵法而不二にもあるように、先人たちの到達した武の法、宇宙の法の足元に少しでも近づけるように今以 上に更に深く掘り下げる為に発足させた流派が「不二流」である。
不二流・大嶋宗家の先祖は加賀藩の藩校「経武官」において、250年前から躰術師範を代々務めていた。
不二流躰術は初代が高齢だった事もあり、初代から二代目への技術伝承がなかった。
初代は初め國士舘大学出身で伝拳法道部を創設し、空手道を極めた堀田氏に二代目を継承してほしい旨を話す。
堀田氏は諸事情により辞退する。
初代と二代目を繋げたのは初代と兄弟同様の家族ぐるみの付き合いをしていた柔気流・宗家・八木不動先生であった。
八木不動先生は合気道・開祖・植芝盛平先生の古参の直弟子であった。
乙藤市蔵先生(神道夢想流状術)とも仲が良く、合同で奉納演武を行っている。
八木不動先生と初代が出会ったのが福岡縣護国神社である。
福岡縣護国神社では毎年、11月23日(新嘗祭)に不二流の演武大会が開催されている。
二代目は空手道を極めた人であった。人物、力量を見込まれて二代目を継承する。
三代目の國士舘大学学生時代に堀田氏とは大学主催の皇居勤労奉仕団で何度も一緒になっていた。
そのころは三代目は初代の存在を知らずにいた。
その20年後の三代目継承時に初代はどのような稽古をしていたのか?歴史をたどる道が始まる。
初代の兄弟弟子である河野容雄・一位流合気古武道・師範と出会う。
河野容雄師範のお父様の河野喜一師範(北朝鮮抑留後に帰国)も戦前の井上鑑照先生の内弟子で親子で井上鑑照先生のお弟子さんであった。一位流合気古武道を10年間ご指導いただく。
河野喜一先生は「日垣の庭」という古神道を主催。河野容雄先生は「日垣の庭・神道学会」を主催。
井上鑑照伝・一位流合気武道、古神道を河野容雄師範からご指導を受ける。
不二流の特徴は審判のいない即ちルール不在の中で行われていくというの が前提にある。その為に慎重さと大胆さを兼ね備える事が必要であり、且つ 人間の生理に沿った身体運用が求められる。
今まで使っていない身体の機能や様々な感覚を総動員する。
正しく効率的に筋肉と身体の動きを連動できなければ、頑張っただけの効 果は見込めないばかりか、怪我の原因にさえなってしまう。
身体の機能を理解して、正しい動きを稽古の中で身につけ、鍛えた身体を 効率よく最大限の動きをできるようにする。
「私自身、50代でまだまだ成長出来るとは思ってもみませんでした。現在も成長を自分自身の身体で実証しています。30代以降は怪我が多くなります。怪我をすると稽古ができなくなります。稽古ができないと衰えます。怪我をしない身体を作っていかなければなりません。」(不二流・宗家談)
「養身 養心 護躰」身体を鍛え養えば、心も養われて、自らの身を健康に も保ち護る事にも繋がっていきます。
例えば女性や力が弱い人などで武道経験がない人、運動経験がない人が習って即使える護身術はあるのか?
身体を練り、技術を磨き、心を強くしていくいがい近道はないと思います。
近道をする為にはコツコツと稽古を続けるしか道はありません。魔法はありません。
怪我しない壊れない身体を作り、稽古を続け技術を護身術を身につける。
続ける事を覚えれば心も強くなっていく事でしょう。
性根、根気が無ければ何事も深いところへ行く事はできません。
「身心有用而不二」身体と心は二つではあらず。一つでもなければ二つ別々のものでもない。
身体と心で不二。
昔の日本人の精神は鍛えられた身体が土台にありました。
刀が当たり前であった武士の時代。刃物が当たり前であった時代から続く古武術身体操作法による護身術は刃物による事件が多い現代にこそ必要な技術だと思います。
日本武道は戦乱の時代に発展して武器術だけでなく、素手の技術、体術は研究されてきました。
身体の作り方、身体の使い方が重要になります。
「立つために座る」という言葉(なぞなぞではありません)にもあるように、日本では座る稽古というものが昔からありました。昔からあったという事はそこに何かしらの意味があります。
「いざは常、常はいざなり」(不二流躰術・第二代宗家伝)
この心構えがないと武術ではなくなり、文化保存会となってしまいます。
一歩前に出る勇気を持つことが大事です。
便利になればなるほど身体は退化します。
道場は人間育成の場所でもあります。
人が育たなければ次の代はありません。
指導する者の三大原理「時を守り、場を清め、礼を正す」。
こども護身術教室「挨拶、返事、後始末」の三原則。
向山洋一先生(当流の稽古人に向山先生のお弟子さんがいた御縁で)の指導法を参考にさせていただいています。
「褒める」。これはかなり難しい事だと思います。
人が動くには2通りあります。褒められて動くか、恐怖で動くか。
難しいのは褒めて動く方です。あえて難しい方に挑戦しています。全てを褒めるわけではありません。
まだまだ道半ばでありますが、諦めずに根気よく続けていきます。
不二流は初段・黒帯から指導員となれます。
日本武道(nippon budo)は日本文化(Japanese culture)です。
日本身体文化は無形文化です。
日本身体文化を土台として日本精神文化があります。
文化は生き方です。過去の伝統をもととして未来を作りだしていく。
文化はそのものとともに生きる以外ありません。
文化がなければ人間は生きていけません。
文化はcultureです。cultureはラテン語のculturaからその語幹はcolere。
その派生語cultus。耕す、敬う。
そこからcultibeteが派生。耕す。自然 の土地を耕し食物を得る。自然の恵みを崇拝します。
もう一つ派生したのがcult。崇拝、儀式です。
自然崇拝は神道の始まりです。文化と神というものは一体です。どの国でも同じです。
武というものは多面体です。色々な面があり武となります。
The Fujiryu is a branch of traditional style martial arts, including taijutsu, kenjutsu, bojutsu, and tantojutsu. The ancestors of the Fujiryu lineage had served for 250 years as masters of taijutsu at the Keibukan, the school of Kaga feudal domain, from generation to generation.
The Fujiryu is deeply rooted in Japanese traditional culture.